2サイクル発電プラント

Diagram of two-circuit water-steam reactor


ここで示しています、2循環路方式は、水蒸気循環路と冷却水循環路で構成されています。

作動媒体である水は、蒸気発生器(左端)へ送り込まれ、原子力又は火力によって加熱されます。その後、上記はパイプシステムを通ってタービンに移動し、駆動させることにより電気を発生させます。凝縮器では、熱エネルギーを冷却水に通すことにより蒸気が凝縮されます。そして水は蒸留発生器に戻され、繰り返し利用されます。


最適な発電効率に向けた水化学

水蒸気発生器内の環境は、腐食の発生や堆積物の蓄積がおこりやすく、両方とも発電所の効率を大幅に低下させる可能性があります。このため、水の化学的性質を最適化する必要があります。

まず水は超高純度である必要がありますが、その一方で、リン酸塩や脱酸素剤のような水に添加するコンディショニング剤の濃度を連続的にモニタリングする必要があります。

水蒸気循環路を循環する水の測定は、EN 12952(水管ボイラーや補助設備)規格および EN 12953(シェルボイラー)規格で決められています。

> 水蒸気ボイラーや温水ボイラーの給水要件について (EN 12953)

メトロームプロセスアナライザーにより水化学分析をモニタリング

Water drop

濃度など各種測定項目の継続的なモニタリングが必要な場合は、メトロームプロセスアナライザーがお勧めです。このプロセス機器は、必要な測定項目を完全に自動でモニタリングし、あらかじめ設定した範囲を超えた値が検出された際には、特定のアクションをするように指示する信号を送ることができます。このように人がかかわる作業を極力抑えることができます。

メトロームプロセスアナリティックスアナライザーは、広範囲の分析項目をカバーしてモニタリングでき、使いやすい単機能測定機、ワンメソッド機、または多項目同時測定機があります。

> メトロームプロセスアナリティックスによる比色分析一覧
※メトロームプロセスアナリティックスの製品は、メトロームジャパンでは取り扱っておりません。

ヒドラジンの測定:効率的な脱酸素剤

Alert Analyzer with nuclear power plant in background

溶存酸素は、水循環路内を腐食させる主要な原因です。ボイラー供給水の熱脱気により、大部分の溶存酸素を除去できますが、残留酸素はいくらか残っています。

残留する酸素を化学的に除去するため、ヒドラジンや亜硫酸塩のような還元剤が使用されます。亜硫酸は、水蒸気回路内に腐食性の硫酸塩を添加するという欠点がありますが、ヒドラジンは、揮発性の窒素とアンモニアへ分解されます。さらにヒドラジンの利点として、pH値を上げて腐食電位を低下させます。ただし、ヒドラジンは毒性があるという欠点があります。

ヒドラジン濃度は、ボイラー給水内のすぐ近くでモニタリングする必要があります。アラートアナライザーは、この測定に最適です。わずか10分で、ヒドラジン濃度を比色にて定量することができます。検出限界は、μg/L以下です。

> メトロームプロセスアナリティックスのプラグ&分析シリーズ詳細(英語)

シリカの測定:水蒸気内では決して無害ではない

Detail of turbine blade

ボイラー給水や補給水中に過剰なシリカが存在することは問題となります。コロイド状態のシリカは、イオン交換器を通り抜けてしまい、ボイラー内で可溶性シリカに加水分解されます。また可溶性シリカは揮発性があるため、高圧で蒸気循環路に入り、特にアルカリ土類金属の存在下でタービンブレードに蓄積されてゆきます。

シリカは、アラートアナライザーを使用して、µg/Lレベルで比色により測定できます。

> メトロームプロセスアナリティックスのプラグ&分析シリーズ詳細(英語)

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電気化学分析法による銅の測定

884 Professional VA, semiautomated, for single determinations

銅合金は、水蒸気カイロの全てのコンデンサー内で実際に使用されています。銅や銅合金の欠点は、アンモニアによる腐食の感受性です。生成された腐食物質が、新たな腐食を起こします。銅化合物は上記タービンの高圧領域内から沈殿してブレードに蓄積されます。

銅化合物は、DIN 38406-16 による電気化学分析法(ボルタンメトリー)で測定できます。サンプルの前処理は必要ありません。

> 電気化学分析法による銅化合物測定についてさらに詳しく

電気化学分析法による鉄の測定

高温状態で水蒸気は、蒸気ボイラーの炭素鋼に含まれる鉄と反応します。これにより、鉄(Ⅱ、Ⅲ)酸化物であるマグネタイトの薄い膜が形成され、鋼表面を不働態化することにより、更なる腐食(Schikorr反応)から保護します。

好ましくない条件下では、この腐食を抑えるマグネタイト膜が剥がれ落ち、水蒸気回路内の鉄濃度が上がります。鉄濃度を定期的に測定することにより、腐食の進行だけでなく、保護マグネタイト膜の形成や破壊のモニタリングも可能です。

吸着式ストリッピングボルタンメトリー (AdSV) は、発電所内の水蒸気循環路(ボイラー給水、補給水、凝縮水)の処理水中で鉄を迅速かつ高感度で測定します。これは、適切な錯化材を添加して、一定時間後に鉄を電極表面上で還元される吸着性錯体に変換することで測定されます。AdSV による測定では、錯化材として2,3-ジヒドロキシナフタレン (DHN) を使用することにより、μg/Lレベルの検出限界があります。

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腐食防止剤

Chromatogram of corrosion inhibitors

亜鉛イオン、リン酸塩、ホスホン酸塩は、スチール配管の腐食防止剤として使用されます。スチール配管に銅や銅合金が含まれていると、トリアトリアゾール、ベンゾトリアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールなどのトリアゾールを用いて腐食を防ぐことができます。トリアゾールの銅化合物は、酸化されやすく、添加される殺菌剤とも反応します。その結果、トリアゾールを新たに補充しなければならず、トリアゾール濃度を定期的に測定する必要があります。

トリアゾールは、UV/VIS検出器付きのイオンクロマトグラフィで測定できます。

> メトロームのイオンクロマトグラフィについてはこちら

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腐食性アニオンのモニタリング:塩化物と硫酸塩

Chromatogram for chloride and sulfate

塩化物は、タービンブレードやローターに孔食を引き起こします。また、硫酸塩の存在で腐食疲労や応力腐食割れ(SCC)を引き起こします。これらの深刻な問題を防ぐため、発電所では、水蒸気カイロ内のアニオン濃度をモニタリングする必要があります。

腐食性アニオンの測定は、インライン濃縮とインラインマトリックス除去が備わっているイオンクロマトグラフィで行えます。

> メトロームのイオンクロマトグラフィについてはこちら

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その他のアプリケーションや装置

石油向け燃焼法イオンクロ

化石燃料には、多くの硫黄が含まれている可能性があります。硫黄を含む燃料が燃焼すると二酸化硫黄 (SO2) が生成されて大気に放出されるため、化石燃料中の硫黄含有量をモニタリングすることは不可欠です。

ハライドは発電所の冷却回路内において腐食を促進させるため、モニタリングが必要となります。

燃焼法イオンクロマトグラフィ(CIC)は、固体や液体試料中の硫黄とハロゲンの両方を同時測定できます。試料は熱分解で得られた気体を溶液に吸収し次いでイオンクロマトグラフィで分析します。

燃焼法ICについてはこちら
Power plant with flue gas

煙突から出るガスの浄化

煙突から出る煙からCO2を除去するために、煙をアミン含有スクラビング溶液で処理します。酸性CO2は、アミンによって可逆的に化学的に結合され、加熱、加圧、乾燥、液化の固定を経て再び放出されます。

ADI2045TI プロセスアナライザーを使用してスクラビング・ソリューションのCO2結合能力を測定できます。この装置では、複数のサンプル経路をモニタリングし、複数のスクラバーのCO2結合能力を連続的に測定できます。

ADI 2045TIプロセスアナライザー詳細(英語) アプリケーション詳細
Detail of turbine

タービンオイル&潤滑油

タービンオイルや潤滑油は、発電所において厳しい環境下で使用されています。数多くの国際規格で、タービンの稼働中のメンテナンス用試験項目やテスト方法が定義されています。

ASTM D 4378 では、電位差滴定により、酸価や塩基価を測定し、カールフィッシャー水分測定法で水分量を測定するよう規定されています。

メトロームの電位差自動滴定装置 カールフィッシャー水分測定装置

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