ご隠居たちのIC四方山話「マトリックス効果-3」
今回はマトリックス効果の3回目です。前回はマトリックスによる溶出時間への影響と検出への影響についてお話ししました。そして,その対策としては「分離を改善すること!」が基本であることをお話ししました。
ピークの重なり合いによる定量精度の低下は,所謂マトリックス効果とは呼ばないんですが,イオンクロマトグラフィの測定対象となる試料中には,濃度が大きく異なる多種多彩なイオンが含まれていますので結構重要な問題です。このことは,この『ご隠居達のIC四方山話』で何度もお話しておりますが,近接して溶出する濃度差が1000倍以上もある2成分を分離しろなんて要求が多々あります。流石に,濃度差が1000倍以上となると「分離を改善すればいいんですよ!」なんて気楽に言えません。かなりの工夫がいるんです。
前回は塩化物イオンと亜硝酸イオンとの分離でしたが,今回はナトリウムイオンとアンモニウムイオンとの分離の話をします。このテーマは既に何回か書いていますが,結構ニーズがありますので再登場ということにします。
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