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【コラム】ラマン分光法に関するよくある質問(FAQ):アプリケーション(用途)

【コラム】ラマン分光法に関するよくある質問(FAQ):アプリケーション(用途)

2023/06/26

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こちらの記事は Part 2 のシリーズ

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Part 1

ラマン分光法は非常に汎用性の高いツールであり、さまざまな用途に利用することができます。ロボットから芸術作品、ビールから宇宙空間に至るまで、ラマン分光法がこれほど多用途な技術であることは驚くべきことです。このFAQシリーズのPart 1では、理論と実際の使用方法を取り上げました。この記事では、さまざまなアプリケーションに対するラマン分光法の適用性について、よくある質問にお答えします。

1. ラマン分光法でしかできないことは何ですか?

MIRA XTR is pocket-sized, making it convenient for field work.

多くの分析手法は、従来、試験室で物質同定に使用されてきました。ラマン分光法は、既知化合物のライブラリとの照合や、モデルデータセットとの比較によって物質を同定または確認するためのツールです。

ラマン分光法を際立たせているのは、その独自のサンプリング能力です。最も基本的なレベルでは、ユーザーはサンプリングアタッチメントを試料や容器の外側に押し当てるだけで、試料を本来の状態のまま、場合によっては元の包装のままでデータを取得できます。この利点として、迅速かつ容易であること、試料に接触する必要がないため汚染の可能性がないこと、そしてサンプル前処理が不要であることが挙げられます。ハンドヘルド型システムを使用すれば、試験室の外でも、分析が必要なあらゆる場所でこれらの利点を享受できます。さらに、遠隔測定、ロボット・ドローン・車両への搭載、あるいは離れた場所からのスタンドオフ測定といった機能を考慮すると、ラマン分光法のアプリケーションがいかに独自性に富んでいるかが分かります。現場検査、危険物対応(Hazmat)、CBRNE(化学・生物・放射線・核・爆発物)事案、宇宙探査、違法物質の検出なども、人の安全を危険にさらすことなく実施することが可能です。

2.  特殊なラマン技術は独自のアプリケーションをどのように支援しますか?

Two researchers in a laboratory testing food samples with MISA and checking the results on a tablet.

表面増強ラマン散乱法(SERS)は、ラマン分光法を優れた微量検出技術へと変えます。SERSを用いることで、食品中の微量な農薬を測定したり、複雑な路上麻薬サンプル中のごく少量の麻薬を検出したりすることが可能です。

メトロームでは、SERSを全血サンプル中の麻薬検出手法としても提案しています。

 

Metrohm offers hyphenated electrochemistry-Raman (EC-Raman) solutions to give even more flexibility for researechers.

メトロームは、ラマン分光法と電気化学(EC-Raman)を組み合わせた技術を専門としており、この手法により、単一の実験で構造情報と機能情報を同時に取得するなど、化学プロセスに関する情報を得ることができます。EC-Ramanは、有機化合物および無機化合物の特性評価に加え、電気触媒反応、エネルギー貯蔵デバイス、および腐食プロセスのモニタリングを行うことができます。

3.  ラマン分光法は、興味深くユニークなアプリケーションにどのような価値を提供できますか?

The i-Raman Plus Portable Raman Spectrometer being used to investigate artwork.

532 nmの波長を用いたラマン分光法は、炭素の特性評価に最適です。ピークの強度、形状、および位置から、サンプル内部の結晶性に関する情報を得ることができ、構造的な乱れを明らかにすることもできます。

ラマン分光法は、美術品保存美術品保存の分野でも多くの有用な用途があります。他の分析手法と比較した場合の利点には、文化財を非侵襲的かつその場で調査できること、顔料や染料の同定において蛍光低減機能を利用できること、さらに最大数メートル離れた位置から表面を非接触で分析できるスタンドオフ測定が可能であることが含まれます。

4. ラマン分光法は食品・飲料分析にどのように貢献しますか?

ラマン分光法を食品検査に利用できる方法は驚くほど多く、目的に応じて成功につながるさまざまなアプローチが利用可能です。

Close-up image of a variety of beers in glasses.

ラマン分光法は、非常によく似たサンプル同士を識別することに非常に優れています。例えば、主要なラガービールのブランドを比較したり、さまざまな食用油を分類したりする際に、この特性が役立ちます。

この分野における主な用途は、食品の真正性確認および原材料の受入確認であり、これらはハンドヘルド型および試験室設置型の両方のラマンシステムで実施することができます。

A bundle of carrots sitting in a wide basket.

食品・飲料分野は、有機物由来の蛍光のため、従来はラマン分光法にとって課題の多い分野でした。しかし、785 nmラマン測定性能を向上させるための新しい蛍光除去技術であるXTR®により、これはもはや問題ではありません。

XTR®は、ニンジン、トマト、バナナの皮に含まれるβ-カロテンのような有色化合物の同定を支援します。また、利益を増やすために安価な糖類混合物で混ぜ物がされることの多い高価な製品であるハチミツの真正性確認にも有用です。

 

Tablet, Misa Cal M, Food Analysis

SERSは、食品および飲料中の微量な色素、添加剤、ならびに農薬、除草剤、殺菌剤の残留物を検出するための強力なツールです。

メトロームは、消費者の安全を容易に守ることができる、使いやすいさまざまなSERS測定法および関連材料を提供しています。

MISA(Metrohm Instant SERS Analyzer)向けの公開アプリケーションノートの一部はこちらからご覧いただけます。

MISA(Metrohm Instant SERS Analyzer)向け無償アプリケーションノート

 

5. メトロームにおけるラマン分光法の今後の展開はどうなっていますか?

Illustration of MIRA on a robot for the GLIMPSE (Geological Lunar In-Situ Mapper and Prospector for Surface Exploration) Project.

ラマン分光法のアプリケーションについて読んでいる間にも、ほかの研究者たちはラマン分光法を自身の研究へ活用する新たな方法を発見しています。GLIMPSE (Geological Lunar In-Situ Mapper and Prospector for Surface Exploration)では、MIRA(Metrohm Instant Raman Analyzer)が宇宙へ送り出される可能性があります。

MIRA XTR outfitted on a drone.

メトローム スイスは、新たに、スタンドオフアクセサリーを搭載したドローン搭載型ラマンシステムを用いて、数メートル離れた位置から化学物質や爆発物を自動検出する共同プロジェクトに取り組んでいます。

MIRA XTR DS; Raman Spectroscopy; Defense & Security; First Responder; Autofocus Standoff Attachment

IBEXを用いることで、ロボット搭載型ラマンシステムによる重要施設の遠隔監視が可能になります。IBEXは、スタンドオフ型ラマン分光計(MIRA XTR DS)と、化学兵器剤(CWA)検出器、放射線・核物質検出器、および可燃性ガス検知器を含むセンサーパックを搭載した四足歩行ロボット(Boston Dynamics社のSpot®ロボット)です。IBEXは、初動対応者や法執行機関が脅威を遠隔から把握し対処できるよう、安全かつ迅速に現場全体の状況評価を行うことができます。

6.  違法物質や危険物質の分析において、ラマン分光法が強力な手法である理由は何ですか?

ラマン分光法は、麻薬、潜在的に危険な未知化学物質、爆発物、および化学兵器剤の同定に最適です。現場で迅速かつ信頼性の高い非接触測定結果を得られるため、作業者の安全性を最大限に高めることができます。これは、税関検査、交通取締り、化学物質流出事故、秘密実験室の監視など、多岐にわたる違法物質および危険物質関連アプリケーションにおいて不可欠です。

First responder in a Hazmat suit holding a MIRA DS with Contact Ball Probe Attachment for liquids.

これは偶然ではありません。メトロームのハンドヘルド型ラマンシステムは、このような危険性の高いアプリケーションに必要とされる厳しい仕様を満たすよう設計されています。

  • メトロームのハンドヘルド型ラマン装置は堅牢であり、防水・防塵性能を備え、衝撃や振動への耐性について認証を取得しています。
  • 危険物質の同定は、遠隔測定、遅延測定、および即時の危険警告機能により、より安全に実施できます。
  • 感圧式タッチスクリーンおよび/または機能ボタンにより、厚手のHazmat防護服用手袋を着用したままでも操作できます。
  • 複数のラマン波長を利用できるため、ユーザーは最大限のサンプリング柔軟性を活用できます。
  • 専用アクセサリー(例:PowerPack for MIRA)は、終日に及ぶ場合であっても現場試験を支援します。

 

7. メトロームで特に注目すべきラマン分光法のアプリケーションや機能は何ですか?

柔軟性は、メトロームの最先端ラマンソリューションにおける重要な要素です。当社の多くのラマンシステムは、以下の機能に対応しています。

TacticID-1064_ST-Scanning-06

See-through Ramanは、プラスチックボトルや多層紙包装を含む、従来のラマン分光法では透過できなかった不透明な容器や包装材を通して、迅速な物質同定を可能にします。

これにより、受入原材料の同定郵便物・宅配便の荷物検査、国境検問所や税関における密輸品の検出といったアプリケーションを支援します。

MIRA XTR DS laying on its side.

メトロームは、特許取得済みのOrbital Raster Scanning(ORS™)およびLarge Spot Adapterによって、ハンドヘルド型ラマン分光法に革新をもたらしました。これらは、大きなサンプル領域を測定しながらも、低分解能、低感度、サンプル劣化といった課題を克服するための独自技術です。

これらの最先端技術により、多くの一般的な医薬品製剤のような混合物の分析性能が向上します。さらに、レーザーがサンプル全体に分散して照射されるため、高度に着色された物質や揮発性物質などの感受性の高い材料の測定にも適しています。

最後に、ラマンスペクトルにおける蛍光を抑制する能力は、燃料、ポリマー、塗料・染料を含む定性分析および定量分析の両方において不可欠です。メトロームは、最も広く使用されているラマン波長に対応した蛍光抑制手法を提供しています。

まとめ

メトロームが提供するラマンソリューションは、その用途の多様性と同様に幅広いものです。ハンドヘルド型および試験室設置型のラマンシステムは、微量検出、材料確認、未知物質の同定から定量分析まで、あらゆるニーズに対応しています。どのような用途であっても、ラマン分光法は独自性と優れた特長を備えた分光分析手法です。

MIRA XTR DSによる蛍光のない785 nm材料同定

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このホワイトペーパーでは、蛍光抑制手法の概要、MIRA XTR DSの利点、およびアプリケーション事例(例:危険化学物質、違法薬物、食品・飲料業界で使用される原料および製品、製造材料)について紹介しています。

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