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おそらく、前回のコラム  ”単純な滴定であっても自動化を検討する理由”  をお読みいただき、分析を自動化し、同時に分析結果の精度と再現性を高めることで、退屈で、反復的で、疲れる手作業から解放されるというアイデアを気に入っていただけたことでしょう。

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滴定は、リーズナブルな分析手法として知られており、ガラス製ビュレットやシンプルなスタンドアロンの自動滴定装置でさえ、分光法やクロマトグラフィー法などの他の分析技術と比較して非常に安価です。短い測定時間と既知の化学量論に基づく滴定原理を組み合わせることで、滴定は主要な分析手法として世界中で広く受け入れられています。

とはいえ、ここ数十年でサンプルの数が増加していることから、滴定分析を自動化する価値がますます高まっています。何度も、”安価な” 滴定のために自動化システムを導入することに疑問を持つラボ・マネージャーや購買担当者と議論してきました。特に、滴定装置に自動化を追加すると、滴定装置のインストールと同じかそれ以上の費用がかかることがあります。この懸念は理解できます。しかしながら、そのようなアップグレードのためのコストだけでなく、多くのメリットも考慮してください。

全自動滴定装置を使用することで、さまざまな節約につながることを説明します。

貴重な時間を節約

ラボで無人自動化された分析装置を使用する場合、時間の節約は最大のメリットの 1 つです。

サンプルを準備し、必要なサンプルデータを分析システムに入力した後、システムは数時間から数日間、無人で稼動することができます。この間、分析技術者は、自動化できないサンプルの分析、データの評価、新しいサンプルの準備、事務作業や特許の発明に貴重な時間を費やすことができます。

ルーチン作業に無駄なお金をかけない

スタンドアロン滴定装置のみを使用する場合と比較して、無人自動滴定システムではルーチン作業のコストを削減できます。手順は事前にテストされているため、自動運転中のエラーを最小限に抑えることができます。具体的には、電極とビュレットの先端がサンプル溶液で十分に浸漬されているのを確認すること、サンプルに最適な撹拌速度を使用すること、分析の合間に最適化された洗浄手順を適用することなどの一般的なタスクです。

一見すると、これらのステップはそれほど重要ではないように思われるかもしれないが、分析に携わる分析技術者がそれぞれの好みや経験に基づいて微妙に異なる手順で分析を行っている場合、これらは分析結果に影響を及ぼす恐れがあります。最悪の場合、結果の妥当性を検証するためにサンプルの分析を何度も繰り返さなければならなくなります。自動化により、このような問題を心配する必要はなくなります

ランニングコストの削減

前述の改善された手順により、電極などの消耗品のコストが削減されます。事前に定義された洗浄、コンデショニング、および保管手順により、センサーの寿命が大幅に延びます。考慮すべき唯一のことは、電極の内部液を定期的に充填することですが、これはまだ自動化できませんので、定期的に確認をして補充してください。

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ただし、定期的な pH 測定のみを実行する場合は、すでに解決策が存在します。Ecotrode Gel を使用すると、電極内部液がなくなるまで補充せずに連続測定を実行することができます。

電極を交換する時期になると、電解質ゲルの透明度がわかります。クールと思いませんか?

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電極のほかにも、試薬や最終的な廃棄物処理も、コストを議論する際に考慮しなければならないテーマです。残念なことに、いまだに非常に大量の有機溶媒を使用する規格や標準分析法がいくつか存在します。これらの化学物質はすべて、適切な廃棄のために特別な処理が必要です。つまり、環境への影響は言うまでもありませんが、廃液が多く出れば出るほど、その廃棄コストは高くなります。

自動化システムでは、小さめのビーカーで滴定分析を行うことができるため、試薬の量を最小限に抑えることができます。アプリケーションによっては、分析間の洗浄手順を、過剰な溶媒量を使用するのではなく、単に溶媒に浸すだけにすることにより、溶媒の使用量を削減することもできます。

無人自動化によるトラブルの削減

自動滴定システムは数時間または一晩中独立して稼働させておくことができるため、作業者が有害物質や試薬と直接接触することを最小限に抑えることができます。最新の滴定システムは分析を行うだけでなく、サンプルビーカーをシステムから取り外して洗浄機に入れたり廃液したりする前に、サンプルビーカーが洗浄された状態にすることも可能にします。

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滴定溶液の交換がこれまで以上に簡単になる3Sテクノロジーを搭載したシステムであれば、試薬交換時の化学物質への暴露を最小限に抑えることも可能です。より安全なシステムであればあるほど、サンプル分析中や廃液時の取り扱いにおいて、危険な化学薬品にさらされるリスクは小さくなります。

事故は一度起こればそれで終わりというものではなく、その後の管理も大変なことになることは、誰もが知っています。したがって、人々の健康を維持し、関連するコストを抑えるためにも、事故を起こしやすい状況を避けることが必要となります。

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利益を上げる

サンプルのスループットを上げることは、利益に直接影響します。自動化がなければ、増加するサンプルを処理するために、より多くの分析技術者が必要となりますが、十分な教育を受けた分析技術者を見つけることは、これまで以上に困難でコストがかかります。さらに、退屈なルーチン分析は、ラボの分析技術者が望んでいる仕事ではありません。

オートメーション - 思っているほど高価ではない

おそらく、このコラムを読み始めたあなたは、特にシンプルなスタンドアロン滴定装置への投資と比較して、オートメーション化はラボにとって高すぎると考えていたでしょう。しかし、このコラムで示しましたように、オートメーション化された滴定システムを使用することで、さまざまなことが節約できます。

消耗品、試薬、繰返し分析にかかる時間などの定期的な費用について考えてみましょう。これまでに、測定結果がすぐに得られなかったり、生産を継続するのに十分でなかったりしたことは、どのくらいの頻度でありましたか?  同僚が怪我をしたとき、ラボでの安全性について議論したことについて考えてみてください。また、ランニングコストが原因でラボの効率性と収益性が疑問視されたことはどのくらいの頻度でありましたか?  これらを考えると、オートメーション化による投資収益率は信じられないほど高いことがわかります。完全にオートメーション化して実行するサンプルが増えるほど、初期投資の回収が早くなり、財務諸表も改善されます。

メトロームでは、滴定装置を販売するだけではありません。私たちは "滴定に関わる課題のソリューション " をご提供しています。お客様のご要望に応じて、洗練されたシステムからシンプルなシステムまでご提供いたします。滴定装置、アクセサリ、電極、サンプルチェンジャー、ソフトウェア - すべてをメトロームからご提供いたします。

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作成者
Risse

Heike Risse

PM Titration (Automation)
Metrohm International Headquarters, Herisau, Switzerland

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