加圧水型原子炉 1次冷却水の測定

Diagram of three-circuit water-steam reactor

加圧水型原子炉 (PWR) は、一般に他のタイプの火力発電所(例えば沸騰水型原子炉 (BWR)、石炭火力発電所、地熱発電所)にみられる2水回路に、3番目の水循環路を追加して設計される。このいわゆる1次回路では、水は核分裂により発生した熱を吸収し、それを2次循環路に伝達します。この追加の循環路には、放射性物質が含まれたままであり、2次循環路や外部環境へ拡散しないようにしなくてはなりません。

この追加された水循環路には、化学分析およびモニタリングする項目があります。


ホウ酸の測定…

PWRの一次循環路内の水には、溶解したホウ酸が含まれています。ホウ酸や同位体の10Bの目的は、減速剤として作用することです。ホウ酸は、核反応を進行させて原子炉の反応性の原因となる核分裂中性子を捕捉します。その濃度が重要なので、1次循環路におけるホウ酸測定は、原子炉の安全性および効率の観点からとても重要になります。

ラボ用分析装置での測定

弱酸であるホウ酸の酸解離定数は、 Ka1 5.75·10-10 であり、滴定で直接測定することは困難である。簡単に滴定するには、マンニトールのようなポリアルコールを添加して強酸性の複合体を形成させ、1価の酸として振る舞うようにしてからNaOHで滴定します。

ホウ酸を手動で滴定する場合、この錯体を形成させるには煩雑な作業があり、さらに正確な測定を行うためには、サンプルや蒸留水やマンニトール溶液を正確にピペッティングする作業が必要となります。自動滴定装置では、これらの作業を全て自動化することができます。

メトロームには、ホウ酸分析用の自動システムがあります。

> 酸分析用全自動システムについてはこちら

プロセス用分析装置での測定

PWR運転中は、燃料を交換することはできません。運転サイクルのスタート時に予備燃料を入れておく必要があります。この予備燃料に関する反応器内の過剰な活性は、反応容器内のホウ酸濃度を調節することで制御されます。燃料が燃焼するにつれて、ホウ酸の濃度を下げて原子炉を稼働させる必要があります。そのため、PWRの安全で効率的な運転のためには、1次循環路内い正しいホウ酸濃度が入っていることが重要です。

これは、ホウ酸濃度を常に注意してモニタリングすることで管理できます。メトロームプロセスアナライザー ADI2045TI を使用することで、継続して電位差滴定法でホウ酸濃度を測定できます。

> メトロームプロセスアナライザー ADI20416 プロセス分析計についてさらに詳しく(英語)

> メトロームプロセスアナライザー ADI2045TI プロセス分析計についてさらに詳しく(英語)

リチウムの測定

Chromatogram of a lithium determination

PWRの1次循環路に添加されるホウ酸は、pH値を低下させるので、腐食電位を増加させます。この影響を打ち消すため、モノアイソトピック水酸化リチウム (7Li) のようなアルカリ化剤を1次循環路内に添加します。そのため、リチウム濃度も併せてモニタリングする必要があります。これは、メトロームインラインループインジェクション(MiPT)と組み合わせたイオンクロマトグラフィを使って行えます。

> イオンクロマトグラフィによるリチウムの測定について

> メトロームイオンクロマトグラフィについてさらに詳しく

1次循環路内の金属陽イオンの測定

いくつかの金属陽イオン (カチオン) は、PWRの1次循環路内においてモニタリングする必要があります。ニッケルは、スチールの耐腐食性を高める重要な成分です。しかし、イオン形態では、ニッケルは腐食を促進させるため、ニッケルの濃度は定期的に確認する必要があります。

劣化亜鉛は、構成部品表面の放射能を減少させたり、金属表面の腐食を減少させたりするため、添加されます。この陽イオン(カチオン)も定期的に測定する必要があります。

これらの陽イオン (カチオン) は、イオンクロマトグラフィでµg/L 近くまで測定可能です。ホウ酸および水酸化リチウムの存在下により、これらの陽イオン (カチオン) の測定には、インライン濃縮やインラインマトリックス除去を組み合わせて使用する必要があります。

> このアプリケーションについてさらに詳しく

> メトロームのイオンクロマトグラフィについてさらに詳しく

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その他のアプリケーションと装置

Detail of turbine

タービンオイル&潤滑油

タービンオイルや潤滑油は、発電所において厳しい環境下で使用されています。数多くの国際規格で、タービンの稼働中のメンテナンス用試験項目やテスト方法が定義されています。

ASTM D 4378 では、電位差滴定により、酸価や塩基価を測定し、カールフィッシャー水分測定法で水分量を測定するよう規定されています。

メトロームの電位差自動滴定装置 カールフィッシャー水分計

プロセス分析事例

メトロームは、40年のプロセス分析における経験を1冊のハンドブックにまとめました。化学、石油化学、半導体、電力、製薬、自動車、航空宇宙など各産業分野への実績例が収められています。(英語)

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