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自動滴定装置によるISO 23597に基づく希土類元素の分析(光度滴定)

AN-T-249

2026-06

自動滴定装置によるISO 23597に基づく希土類元素の分析(光度滴定)

Fast and accurate photometric determination of rare earth elements (REEs) with the Optrode


概要

希土類元素(REE)は、鉱床から採掘・分離された後、精製されて金属インゴット、金属粉末、希土類酸化物(REO)、合金、または塩として販売されます。REOの純度は通常97%以上であり、インゴットや粉末の純度は少なくとも99%です。

これらの製品に含まれる希土類金属の質量分率は、重要な品質指標であり、価格や用途を決定する重要な要素です。一般に、高純度の希土類元素は酸に溶解された後、さまざまな分析法によって純度が測定されます。その中でも特に重要な方法の一つが、キシレノールオレンジを指示薬として用いる滴定法(ISO 23597)です。

滴定法は絶対測定法であり、原子吸光分析法(AAS)などの確立された他の分析技術に比べて多くの利点があります。光度滴定用センサーであるOptrode M2を用いた滴定では、希土類元素に対して回収率がおよそ100%となり、高い精度と優れた再現性が得られることが示されています。


装置紹介


はじめに

光度滴定は、希土類金属の純度を測定するための高精度かつ迅速で、コスト効率にも優れた分析手法です。原子吸光分析法(AAS)などの他の分析法では、事前に検量線を作成する必要があります。また、その際に使用される標準物質は、しばしば希土類金属の滴定によって値付けされています。そのため、校正を必要とする複雑なAAS法を用いるよりも、滴定法によって希土類元素を直接定量する方が合理的です。

完全に溶解した希土類元素にキシレノールオレンジ(XO)を加えると、この指示薬は希土類金属イオン(Ln³⁺)と着色した錯体を形成します。次に、この錯体をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)で滴定します。すべての金属イオンが錯形成される、あるいは滴定によって反応し尽くされると、錯体の色が変化します。

ランタノイドイオンを例とした滴定反応は、簡略化すると次のように表されます。

Ln³⁺ + XO → Ln(XO)

Ln(XO) + EDTA → Ln(EDTA) + XO

Ln(XO) は赤色、XO は黄色を示します。Optrodeは、この色の変化を574 nmの波長で非常に高精度に検出することができます。


サンプルとサンプル前処理

試料として、硝酸に溶解した希土類元素の標準液を使用しました。これらの試料は、例えば原子吸光分析法(AAS)の測定に用いられる酸溶解済みの希土類元素試料と非常によく類似しています。本法は、ISO 23597 [1] および S. J. Lyle らの論文 [2] に基づいて実施されました。

このアプリケーションでは、イットリウム(Y)、サマリウム(Sm)、ジスプロシウム(Dy)の標準溶液を用いて手法を実証しています。試料前処理は必要ありません。


実験

レアアース鉱物測定のセットアップ
図1. Optrode M2を搭載したOMNIS プロフェッショナルタイトレーターとOMNISドージングモジュール(写真)は、希土類金属の定量分析に理想的なシステムです。

測定は、OMNIS ドージングモジュール(図1)およびOptrode M2を備えたしたOMNIS プロフェッショナルタイトレーターを用いて行います。

適量の試料を滴定ビーカーに秤量し、酢酸緩衝液およびキシレノールオレンジ指示薬溶液を加えます。その後、標定済みのEDTA溶液を用いて、第1当量点を過ぎるまで滴定を行います。


結果

Photometric titration of yttrium standard solution using the Optrode M2.
図2. Optrode M2によるイットリウム標準溶液の光度滴定

表1に示すように、得られた結果は高い回収率を示しており、光度滴定法の堅牢性(ロバスト性)を裏付けています。イットリウム標準溶液の代表的な滴定曲線を図2に示します。

表1. Optrode M2センサーを使った希土類元素の光度滴定結果(n = 6)
サンプル (n = 6) 濃度 (g/L) 回収率 (%)
イットリウム (Y) 9.98 100.0
サマリウム (Sm) 10.10 100.6
ジスプロシウム (Dy) 10.08 100.9

結論

このアプリケーションノートでは、希土類元素の純度をOptrode M2センサーを用いて光度法により測定しました。本手法は、希土類元素の純度測定において、AAS(原子吸光分析法)などの標準的な分析手法に代わる、有力で高精度かつ費用対効果に優れた選択肢を提供します。また、本法は絶対測定法であるため、複雑な校正を必要とせず、この点も滴定法がユーザーにとって特に魅力的である理由の一つです。

Optrodeセンサーの波長を個別に調整できる機能と、信頼性の高いOMNISソフトウェアにより、ISO 23597に基づく希土類元素(REE)の定量を、既知のすべての希土類元素について実施することができます。


参考文献

  1. Rare Earth — Determination of Rare Earth Content in Individual Rare Earth Metals and Their Oxides — Titration Method; ISO 23597:2023; 2023; p 10.
  2. Lyle, S. J.; Rahman, Md. M. Complexometric Titration of Yttrium and the Lanthanons—I: A Comparison of Direct Methods. Talanta 1963, 10 (11), 1177–1182. DOI:10.1016/0039-9140(63)80170-8
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