表層水中にタリウムが存在することは、工業排水の質や具合を示す指標であり、摂取された場合には深刻な健康被害を引き起こすおそれがあります。
タリウム濃度のモニタリングは、銀薄膜で修飾された scTRACE Gold を用いた陽極溶出ボルタンメトリーにより、容易に行うことができます。

この毒性がなく安全な分析手法は、10～250 µg/L の濃度範囲でタリウム濃度を測定することを可能にします。測定は 946 ポータブル VA アナライザーを用いて実施されます。本手法の主なメリットは、センサーである scTRACE Gold 電極の独自設計にあります。この電極は、金製のマイクロワイヤを作用電極とし、Ag/AgCl 参照電極および炭素補助電極をセラミック基板上に組み合わせた構造を有しています。電極は取り扱いが容易であり、機械的な研磨といった煩雑なメンテナンスを必要としません。
また、銀薄膜を再メッキすることで、センサーの迅速かつ簡便な再生が可能です。この手法は、現場での測定に最も適しています。