AN-T-214
2020-06
ケルダール法(光度滴定・電位差滴定)による排水中窒素含有量測定
Easy determination by titration according to ASTM D3590
概要
窒素系化合物は、環境中に広く分布しています。これらは、光合成生物(植物や藻類など)にとって不可欠な成長栄養素です。そのため、環境中に放出される窒素化合物の量を監視・管理することが重要です。
本アプリケーションノートでは、ケルダール分解・蒸留後、ASTM D3590に準拠した光度滴定または電位差滴定による、水中の窒素含有量の測定方法について紹介します。ケルダール分解・蒸留による窒素測定は、1883年以来実施されています。ケルダール法の普遍性、精度、および再現性により、この方法は例えば多くのマトリクス中のタンパク質含有量の推定において国際的に認められた方法となっており、他のすべての方法が評価される際の基準となる標準的な方法です。
ケルダール蒸留後、窒素含有量は酸塩基滴定により測定されます。これは、試料や使用者の希望に応じて、光度滴定または電位差滴定のいずれかとなります。どちらの滴定法も、信頼性が高く安価な測定を提供します。
Sample and sample preparation
本アプリケーションは、光度滴定については排水を、電位差滴定についてはオゾンを添加した水を用いて実証されています。
各試料は分解のためケルダール管に移されます。分解は、市販の分解装置を用いて自動的に実施されます。分解後、混合物に水酸化ナトリウム溶液を加え、生成したアンモニアを、水蒸気蒸留装置を用いてホウ酸を含む捕集容器へ自動的に蒸留します。
Experimental
本分析は、光度滴定用のOptrode、または電位差滴定用のdEcotrode plusを備えたOMNIS Advanced Titratorを用いて実施されます。
調製した試料は、当量点を過ぎるまで硫酸で滴定されます。良好な回収率と再現性を確保するためには、この試料前処理に使用する蒸留装置が漏れのないものであること、およびブランクに使用する水が窒素を含まないものであることが重要です。
Results
使用した試料が異なるため、2種類の滴定法における回収率と標準偏差を比較することはできませんでした。しかしながら、両手法とも相対標準偏差は2%未満であり、本アプリケーションにおいて許容できる範囲です。
| 光度滴定 (n = 4) | 電位差滴定 (n = 3) | |
|---|---|---|
| 平均値 | 33.63 mg/L | 19.78 mg/L |
| SD(abs) | 0.45 mg/L | 0.26 mg/L |
| SD(rel) | 1.33% | 1.34% |
Conclusion
滴定は、ASTM D3590に準拠して排水中のケルダール窒素を測定するための簡便な手法です。滴定は、光度法または電位差法のいずれかで実施することができます。電位差法には、指示薬が不要であるという利点があります。一方、光度測定用のOptrodeはメンテナンスフリーです。どちらの滴定法を使用するかは、試料や使用者の希望によります。
どちらの手法にも、OMNIS Titratorを使用することができます。これにより、お客様のニーズに応じてシステムをカスタマイズし、水質管理に必要な他の滴定アプリケーション用に拡張することができます。
Internal reference: AW TI CH1-1301-032020