AN-T-217
2020-05
【技術資料】銀滴定による消毒剤中次亜塩素酸塩・塩化ナトリウム測定
Reliable all-in-one determination by argentometric titration
概要
消毒剤は、世界中で重要な役割を果たしています。特に感染症が蔓延している時期には、人や動物を有害な細菌、ウイルス、または真菌から守ることが不可欠です。鳥インフルエンザや豚インフルエンザなどの動物疾病、あるいはCOVID-19のような感染力の強いウイルスは、数十億単位の経済的損害をもたらし、産業部門全体を壊滅させることさえあります。
次亜塩素酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムは、水や表面用の消毒剤として効果的に使用することができます。これらは広く入手可能であり、安価です。しかしながら、最も効果的な消毒を達成するためには、正しい希釈を行うことが不可欠です。世界保健機関(WHO)は、(用途に応じて)消毒剤中の濃度として、NaOClは1000~5000 mg/L、NaClは最大200 g/Lを推奨しています。
本アプリケーションノートでは、WHOが推奨する範囲において、2回連続する銀滴定により消毒剤中の次亜塩素酸塩および塩化ナトリウム含有量を測定する、信頼性の高い手法を示しています。
Sample and sample preparation
約500 mg/L(試料1)および約5000 mg/L(試料2)の次亜塩素酸ナトリウムと、それぞれ約200 g/Lの塩化ナトリウムを含む2種類の試料を分析します。それ以上の試料前処理は不要です。
Experimental
本分析は、硝酸銀を用いた2回連続する滴定から構成されます。最初の滴定では、過剰量のヨウ化カリウムの逆滴定により次亜塩素酸ナトリウム含有量を測定します。その直後、同じ試料中で塩化ナトリウム含有量を測定します。
本分析は、Ag-Titrodeを備えたOMNIS Advanced TitratorおよびOMNIS Dosing Modulesから構成されるシステムを用いて実施されます。
適量の試料を滴定容器に移した後、電極を浸漬するのに十分な量の脱イオン水を加えます。硝酸およびヨウ化カリウムを加え、標定済みの硝酸銀を滴定剤として滴定を実施します。
Results
本分析により、許容範囲内の結果が得られています。次亜塩素酸塩含有量が低いことおよび標準偏差が高いことは、次亜塩素酸塩の不安定性によるものです。そのため、採取直後に試料を分析することが推奨されます。結果を表1に示します。
| 試料1 | 試料2 | |
|---|---|---|
| 次亜塩素酸塩含有量 in mg/L | 460 | 4993 |
| SD(rel) in % | 7.4 | 1.1 |
| 塩化ナトリウム含有量 in g/L | 202.4 | 198.3 |
| SD(rel) in % | 0.3 | 0.7 |