AN-NIR-095
2021-11
Quality Control of Hand Sanitizers
Multiparameter determination within one minute
概要
通常に市販されている手指消毒剤には、62~95%のアルコールが含まれています。アルコールは、細菌の栄養型、真菌、およびエンベロープを持つウイルスのほとんどに対して有効ですが、細菌の芽胞に対しては効果がありません。過酸化水素(3%)を製品に添加することでこの問題を解決できる可能性がありますが、その腐食性のため、製造時には注意して取り扱う必要があります。さらに、水および少量の皮膚保護剤(例:グリセロール)が添加され、肌を保護します。これらの成分の正確な割合により、手指消毒剤は液体またはジェル状のいずれかになります。これらの試薬の濃度の測定は、通常、ガスクロマトグラフィー(グリセロールおよびエタノール用)、カールフィッシャー滴定(水分用)、および酸化還元滴定(H2O2用)によって行われます。欠点は、2つの異なる方法が必要であり、これらは時間がかかり、化学試薬を必要とすることです。一方、近赤外分光法(NIRS)は、手指消毒剤製剤中のエタノール、グリセロール、過酸化水素、および水分含有量の迅速かつ信頼性の高い同時定量を可能にします。
結果
測定されたすべてのVis-NIRスペクトル(図2)は、ゲルおよび液体消毒剤製剤の主要な品質パラメータを定量化するための検量線予測モデルの作成に使用されました。検量線予測モデルの精度は相関図を用いて評価され、Vis-NIR予測値と従来分析値との間に非常に高い相関があることが示されました。それぞれの統計指標(FOM)は、日常分析における近赤外分析法の予測の期待精度を示しています。
ジェル中のエタノール含有量
| 統計指標 | 値 |
|---|---|
| R2 | 0.9832 |
| 検量線標準誤差 | 0.33 w/w% |
| 内的交差確認標準誤差 | 0.37 w/w% |
ジェル中のグリセロール含有量
| 統計指標 | 値 |
|---|---|
| R2 | 0.9632 |
| 検量線標準誤差 | 0.08 w/w% |
| 内的交差確認標準誤差 | 0.11 w/w% |
ジェル中の水分含有量
| 統計指標 | 値 |
|---|---|
| R2 | 0.941 |
| 検量線標準誤差 | 0.07 w/w% |
| 内的交差確認標準誤差 | 0.09 w/w% |
液体中のエタノール含有量
| 統計指標 | 値 |
|---|---|
| R2 | 0.9964 |
| 検量線標準誤差 | 0.36 w/w% |
| 内的交差確認標準誤差 | 0.36 w/w% |
液体中の水分含有量
| 統計指標 | 値 |
|---|---|
| R2 | 0.9999 |
| 検量線標準誤差 | 0.12 w/w% |
| 内的交差確認標準誤差 | 0.18 w/w% |
液体中の過酸化水素含有量
| 統計指標 | 値 |
|---|---|
| R2 | 0.9986 |
| 検量線標準誤差 | 0.05 w/w% |
| 内的交差確認標準誤差 | 0.06 w/w% |
まとめ
本アプリケーションノートは、近赤外分光法(NIRS)を用いて液体およびジェルタイプの手指消毒剤製品の品質管理における複数の主要パラメータを同時測定できることを実証しています。近赤外分光法(NIRS)は、高精度を有するラボ法に代わる迅速な代替手段となりえることを可能にし、品質管理の分析決定に代わる適切な代替分析手法となります。
| パラメータ | 方法 | 結果取得時間 |
|---|---|---|
| エタノール | GC | 約5分(前処理)+約5分(GC) |
| グリセロール | GC | 約5分(前処理)+約5分(GC) |
| 水 | カールフィッシャー滴定 | 約5 分 |
| 過酸化水素 | 過マンガン酸滴定 | 約5 分 |