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【技術資料】補正係数を用いた電位差滴定によるクエン酸・シュウ酸測定

AN-T-042

2020-08

【技術資料】補正係数を用いた電位差滴定によるクエン酸・シュウ酸測定

Reliable potentiometric titration using a correction factor


概要

クエン酸およびシュウ酸は、食品や化学溶剤(除染液など)をはじめ、多くの製品中に存在します。両方の酸は還元剤であり、クエン酸はさらに強力な抗酸化物質でもあります。

これらの酸はいずれも、滴定により個別に測定することができます。しかしながら、混合物中の濃度を測定するには、両者の相互影響(緩衝効果)のため、それぞれの酸に対する補正係数を用いた含有量計算のみが可能です。

dEcotrode plusと滴定剤としての水酸化ナトリウムを用いた電位差滴定により、さまざまな混合物中のこれらの酸を迅速かつ正確に測定することが可能です。本アプリケーションノートでは、メトロームの信頼性の高い自動滴定機器を用いた、この迅速かつ簡便な分析について詳しく説明します。


Configuration


Sample and sample preparation

本分析は、クエン酸とシュウ酸の混合液(β(クエン酸) = 20 g/L、β(シュウ酸) = 20 g/L)を用いて実証されています。

試料の前処理は不要です。


Experimental

OMNIS System consisting of an OMNIS Sample Robot S and an OMNIS Advanced Titrator.
Figure 1. OMNIS System consisting of an OMNIS Sample Robot S and an OMNIS Advanced Titrator.

本分析は、OMNIS Advanced Titratorおよび検出用のdEcotrode plusと組み合わせたOMNIS Sample Robot Sを用いて、全自動で実施されます。

試料溶液をサンプルビーカーに移し、脱イオン水を加えます。溶液を、第2当量点を過ぎるまで、標定済みの水酸化ナトリウムで滴定します。各滴定後、溶液を吸引し、電極を脱イオン水ですすぎます。


Results

すべての分析において、再現性のある滴定曲線(図2参照)が得られています。第1当量点はシュウ酸に、第2当量点はクエン酸に対応します。しかしながら、得られた2つの当量点は、両酸のpKa値が近接しているため(シュウ酸 = 1.25および4.14、クエン酸 = 3.13、4.76、および6.39)、互いに影響を及ぼし合います。そのため、滴定には補正係数が必要です。本試料で使用された補正係数は、クエン酸が0.904、シュウ酸が1.11です。

自動分析により、表1に示すとおり、RSD 1.5%未満の再現性のある結果が得られます。

Titration curve of the determination of a mixture of citric and oxalic acid. The first equivalence point corresponds to oxalic acid, and the second to citric acid.
図 2. クエン酸とシュウ酸の混合液測定の滴定曲線。第1当量点はシュウ酸に、第2当量点はクエン酸に対応します。
表1. β(クエン酸) = 20 g/Lおよびβ(シュウ酸) = 20 g/Lの混合液の測定結果(n = 5)。
平均値 / (g/L)SD(abs) / (g/L)SD(rel) /%
クエン酸19.680.261.3
シュウ酸19.590.140.7

Conclusion

補正係数とクエン酸およびシュウ酸の比率との間には非線形の相関関係が存在するため、標準溶液を用いて、想定されるクエン酸とシュウ酸の比率における補正係数を測定することが推奨されます。

しかしながら、本手法は、電位差滴定により混合液中のクエン酸およびシュウ酸含有量を測定するための、簡便かつ迅速な方法を提供します。係数の測定は、OMNISシステムを用いて自動的に行うことができます。

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