AN-NIR-131
2025-08
【技術資料】近赤外分光法(NIRS)によるアルファルファ飼料の多成分測定
Multiparameter determination in a few seconds
概要
牧草は、家畜と野生動物の両方に食べられる植物またはその一部です。牧草は飼料としてかさを提供し、体重の維持に役立ち、いくつかの問題に対処します[1]。アルファルファ牧草はタンパク質が豊富で、肉牛の筋肉量を促進したり、乳牛の生産量を増加させたりするのに適しています[2]。アルファルファは馬の飼料としても一般的に使用されています。これらの動物には、高い消化率、採食可能量、タンパク質含量に加えて、良好な嗜好性を備えた牧草が必要であり、そのためアルファルファやその他の高品質飼料の需要が高まっています。農家はこれに応え、近年ではさらに高品質なアルファルファを生産しています。牧草の品質は化学的、生物学的、動的な特性に左右されるため、測定による方法と計算による方法の両方を用いる必要があります。標準的なアルファルファの分析では、中性デタージェント繊維(NDF)、酸性デタージェント繊維(ADF)、粗タンパク質(CP)、灰分、水分、タンパク質を測定します。アルファルファペレットの場合は、平均粒子径も重要です。近赤外分光法(NIRS)は、脂肪、水分、粗タンパク質、繊維、灰分、デンプンを、サンプル前処理なしで数秒のうちに迅速かつ確実に測定することができます。
試験機器
アルファルファのサンプル(生のアルファルファ、アルファルファペレット、アルファルファキューブを含む)を、Metrohm NIR Analyzerで分析しました。すべての測定はOMNIS用ラージサンプルカップを用いて反射モードで行いました。サンプルカップは回転させながら測定し、複数の箇所からスペクトルデータを取得し、その複数の箇所からのデータを平均化することで、サンプルの不均一性を低減できました。
従来分析値は、本アプリケーションノートの末尾に記載されているISO規格に従って測定しました。すべてのデータ測定および検量線予測モデルの開発には、Metrohmソフトウェアを使用しました。
結果
測定したNIRスペクトル(図1)を用いて、アルファルファ中の脂肪、水分、粗タンパク質、繊維、灰分、デンプンを定量するための検量線予測モデルを作成しました。検量線予測モデルの精度は相関図(図2~5)を用いて評価し、NIR分光法による予測値と従来分析値との間に非常に高い相関があることが示されました。それぞれの統計指標(FOM)は、さまざまなアルファルファ飼料の日常分析における予測期待精度を満たしています(表1~3)。
結果 タンパク質含量
| R2 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) |
| 0.922 | 0.5 | 0.52 | 0.52 |
結果 水分含量
| R2 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) |
| 0.893 | 0.50 | 0.50 | 0.60 |
結果 ADF含量
| R2 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) |
| 0.906 | 1.27 | 1.32 | 1.22 |
結果 NDF含量
| R2 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) |
| 0.935 | 2.02 | 2.24 | 2.16 |
統計指標
下記の表は、アルファルファペレット(表1)、アルファルファキューブ(表2)、生のアルファルファ(表3)の検量線予測モデルの統計指標を示しています。
| パラメーター (範囲) | スペクトル数 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) | R2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 繊維 (18–35%) | 385 | 1.24 | 1.35 | 1.34 | 0.714 |
| 水分 (16–34%) | 976 | 0.50 | 0.50 | 0.60 | 0.893 |
| 粗タンパク質 (10–21%) | 1577 | 0.51 | 0.52 | 0.52 | 0.922 |
| ADF (23–43%) | 633 | 1.27 | 1.32 | 1.22 | 0.906 |
| NDF (33–73%) | 336 | 2.02 | 2.24 | 2.16 | 0.935 |
| 灰分 (7–17%) | 216 | 0.78 | 0.86 | 0.81 | 0.723 |
| MPS (14–23 mm) | 43 | 0.40 | 0.47 | N/A | 0.888 |
| パラメーター (範囲) | スペクトル数 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) | R2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 灰分 (8–14%) | 72/23 | 0.33 | 0.36 | 0.30 | 0.887 |
| 繊維(20–37%) | 86/27 | 1.38 | 1.63 | 1.48 | 0.758 |
| タンパク質 (10–21%) | 101/34 | 0.58 | 0.63 | 0.65 | 0.857 |
| 水分 (10–20%) | 87/28 | 0.23 | 0.30 | 0.29 | 0.974 |
| NDF (34–56%) | 96/22 | 1.73 | 2.11 | 1.44 | 0.918 |
| ADF (25–43%) | 102/35 | 1.38 | 1.65 | 1.44 | 0.837 |
| パラメーター (範囲) | スペクトル数 | SEC (%) | SECV (%) | SEP (%) | R2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 繊維 (18–35%) | 385 | 1.24 | 1.35 | 1.34 | 0.714 |
| 水分 (16–34%) | 976 | 0.50 | 0.50 | 0.60 | 0.893 |
| 粗タンパク質(10–21%) | 1577 | 0.51 | 0.52 | 0.52 | 0.922 |
まとめ
本アプリケーションノートでは、近赤外分光法(NIRS)によってアルファルファ牧草の複数の重要な品質パラメータを測定できる可能性が示されました。牧草の主要な品質パラメータを測定するには、通常、複数の分析手法が必要です(表4)。近赤外分光法(NIRS)による牧草分析は、高精度で、費用対効果が高く、迅速な代替手段となります。
| パラメーター | 方法 |
|---|---|
| デンプン | ISO 6493:2000 飼料 — デンプン含量の測定 — 旋光法 |
| 粗灰分 | ISO 5984:2022 飼料 — 粗灰分の測定 |
| 粗繊維 | ISO 6865:2000 飼料 — 粗繊維含量の測定 — 中間ろ過法 |
| 粗タンパク質 | ISO 5983-1:2005 飼料 — 窒素含量の測定および粗タンパク質含量の算出 — 第1部:ケルダール法 |
| 水分 | ISO 6496:1999 飼料 — 水分およびその他の揮発性物質含量の測定 |
| 脂肪 | ISO 6492:1999 飼料 — 脂肪含量の測定 |
References
- Saracen Horse Feeds. The Importance of Forage. Saracen Horse Feeds. https://saracenhorsefeeds.com/sports/feeding-the-ex-racehorse/the-importance-of-forage (accessed 2025-07-09).
- Douliere Hay France. Alfalfa Hay - Lucerne hay for beef and dairy cow, sheep, goat, broadmare and chicken. https://doulierehayfrance.com/en/produit/alfalfa-hay/ (accessed 2025-07-09).