チオ硫酸ナトリウム滴定溶液の標定
AN-T-244
2025-09
ja
0.01 および 0.002 mol/L チオ硫酸ナトリウムの標定手順
本アプリケーションノートに示すように、Pt ティトロードを装備した OMNIS ティトレーターは、希釈された滴定液であっても濃度を正確かつ信頼性高く測定できます。
滴定溶液の正確な標定は、信頼性が高く精密な滴定結果を得るために不可欠です。滴定では、0.01 mol/L や 0.002 mol/L のような希薄溶液を用いる場合があり、これには特有の課題があります。滴定溶液の濃度が低いと電極応答が鈍くなり、滴定中に安定した測定値を得ることが難しくなります。このような状況では、過滴定を避け、滴定曲線を滑らかにするために、滴定速度を遅く設定する必要があります。その目的は、良好な電位差滴定曲線で期待される「S 字型」のプロットを得ることにあります。
さらに、これらの希釈を行う際に必要な一次標準物質の少量を秤量することで、秤量誤差が生じ、最終的な滴定液濃度のばらつきが大きくなる可能性があります。これを防ぐための最も正確な方法は、一次標準物質の溶液を滴定液と同じ濃度で調製し、マクロピペットを用いて分注することです。
本アプリケーションノートでは、OMNIS 電位差自動滴定装置と Pt ティトロード電極を用いて、チオ硫酸ナトリウム(0.01 および 0.002 mol/L)の滴定溶液の標定を行う手順について説明します。
本実験には、以下の溶液が必要です。これらは分析用試薬を用いて調製を行ってください。
- 0.01 および 0.002 mol/L Na₂S₂O₃(チオ硫酸ナトリウム) – 滴定溶液
- 0.01 および 0.002 mol/L KIO₃(よう素酸カリウム) – 標準溶液
- 1% KI(よう化カリウム)溶液
- 0.1 mol/L H2SO4(硫酸)溶液
Na2S2O3(チオ硫酸ナトリウム) – 0.01 mol/L 滴定溶液
0.01 mol/L の KIO₃ 標準溶液を 1 mL ピペットで取り、1% KI を 10 mL 加えます。次に 1 mol/L H₂SO₄ を 10 mL 加え、Pt ティトロードの球部および金属リングが浸るまで純水を加えます。約 6 mL で最初の滴定終点まで滴定します。
Na2S2O3 (チオ硫酸ナトリウム)– 0.002 mol/L 滴定溶液
0.002 mol/L の KIO₃ 標準溶液を 1 mL ピペットで取り、次に 1% KI を 2 mL、0.1 mol/L H₂SO₄ を 2 mL 加えます。その後、Pt ティトロードの球部および金属リングが浸るまで純水を加えます。約 6 mL で最初の滴定終点まで滴定します。
0.002 mol/L(表1)および 0.01 mol/L(表2)のNa₂S₂O3(チオ硫酸ナトリウム)の力価は、以下に示す式に基づいて算出しました。ここで、c_standard は KIO₃(ヨウ素酸カリウム) 標準溶液の濃度、V_standard は KIO₃ 標準溶液の容量、V_EP はチオ硫酸ナトリウム滴定液の終点までの滴定量を示し、6 は化学量論係数です。
また、ファクター測定における代表的な滴定曲線の一例を図1に示します。
| No. (n = 5) | 平均値 [ mmol/L ] |
標準偏差 s(abs) [ mmol/L ] |
変動係数 s(rel) [ % ] |
|---|---|---|---|
| 1 | 2.008 | 0.013 | 0.6 |
| No. (n = 5) | 平均値 [ mmol/L ] |
標準偏差 s(abs) [ mmol/L ] |
変動係数 s(rel) [ % ] |
|---|---|---|---|
| 1 | 10.057 | 0.041 | 0.4 |
ドリフトは 30 mV/min に設定し、最小添加量は 20 µL、最大添加量は 150 µL としました。