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リチウム塩(炭酸リチウムや水酸化リチウムなど)はリチウムイオン電池の電解質やカソード材料の製造など、様々なアプリケーションに使用されています。また、水酸化リチウムは、車や航空機の重要な潤滑剤であるステアリン酸リチウムの製造にも使用されています。さらに、水酸化リチウムは二酸化炭素と結合するので、空気清浄剤としても使用されています。


炭酸リチウムは大半がアルミニウムの製造に使用されていますが、ガラスやセラミック業界でも使用されています。炭酸リチウムはこれらの材料の溶融点を下げられるため、製造にかかる電気代が抑えられます。さらに、これは鬱病や双極性障害などの精神疾患の治療薬にもなっています。

これらアプリケーションのいずれについても、様々な製造工程で使用される高純度のリチウム塩の品質を把握しておくことが重要です。本アプリケーションノートでは、自動OMNISシステムを用いた水酸化リチウムおよび炭酸リチウムの簡単な分析メソッドを紹介しています。

水酸化リチウムおよび炭酸リチウムはサンプル前処 理なしで直接分析することができます。水酸化リチ ウムの分析では、水に二酸化炭素が含まれていない ことが重要で、そうしないと水分が滴定を干渉します。

図1. 水酸化リチウムおよび炭酸リチウムの分析用に dEcotrode plus電極 を搭載したサンプル ロボットおよび OMNIS Advanced 自動滴定装置

OMNIS サンプルロボットSとdEcotrode plusを 付属したOMNIS Advanced滴定装置で構成される 自動システムで、両分析を行います。

サンプルを計量したあとビーカーに入れると、サン プルの希釈と滴定がシステムによって自動で行われ ます。当量点を過ぎるまで塩酸でサンプルの滴定が 行われます。

結果 いずれの分析でも、相対標準偏差0.4%(n = 5) 未満で再現性の高い結果が得られました。また、水 酸化リチウムサンプルに含まれる炭酸塩の不純物も 検出できました。

表1.水酸化リチウムおよび炭酸リチウムの分析結果

n = 5 LiOHの純度 % Li2CO3の純度 %
Mean 99.20 100.78
SD(abs) 0.24 0.34
SD(rel) 0.24 0.34

 

図2. 水酸化リチウムの分析の滴定曲線。2つめの当量点は炭酸 リチウムの不純物です。
図3. 炭酸リチウムの分析の滴定曲線

水酸化リチウムおよび炭酸リチウムの分析に対して、滴定は正確で信頼性の高い方法です。


自動OMNISシステムを用いると、最大4つまでサンプルが同時に分析できます。OMNISシステムはお客様のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能で、品質管理が必要な他の滴定アプリケーションにも拡張できます。

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