元の言語のページへ戻りました

塩酸(HCl)は強い無機酸であり、鉱酸にも分類されます。塩酸は化学工業において非常に重要な溶液で、鉱石の処理や洗浄剤として、また金属加工における酸洗いやエッチング、はんだ付けなどに用いられています。さらに、製薬業界においても重要な標準溶液として利用されています。

水酸化ナトリウム滴定溶液を用いて塩酸を電位差滴定する方法は、ラボで行われる最も重要かつ頻繁な分析の一つです。この目的には滴定法が最適であり、非常に正確で、低コストかつ迅速に行えます。

本アプリケーションノートでは、Pt1000温度センサー付きpH電極を用いて、水酸化ナトリウム(NaOH)滴定溶液で塩酸(HCl)の濃度を測定する中和滴定法をご紹介します。これにより、最も正確な結果が得られます。

本アプリケーションでは、塩酸濃度1 mol/Lのサンプルを用いて滴定を行います。

試料の前処理は不要です。

図 1. Ecoタイトレータに、Pt1000温度センサー付きユニトロードを用いて滴定を行います。

測定は、Pt1000温度センサー付きユニトロードを電極に用いEcoタイトレーター(図1)で行います。塩酸(HCl)の酸性成分は、水酸化ナトリウム(NaOH)の塩基性溶液と以下の中和反応メカニズムで反応します。

HCl + NaOH → NaCl + H2O

適量のサンプルを滴定容器にピペットで移し、その後、純水を加えます。続いて、水酸化ナトリウム滴定溶液を用いて第一終点を超えるまで滴定を行います。

表1に測定結果を示します。塩酸の代表的な滴定曲線は図2に示しています。

表 1. 塩酸の電位差滴定の測定結果(n = 10)

サンプル

(n = 10)

NaOH滴定溶液 

滴定量 [mL]

HCl濃度

 [mol/L]

回収率

   [%]

平均値 4.994 0.999 100.00
SD(abs)標準偏差 0.00 0.00 0.05
SD(rel) [%]  変動係数 0.05 0.05 0.05
図 2. 塩酸の電位差滴定曲線。終点(EP)はおよそpH 7.0で確認されました。

塩酸の水酸化ナトリウム滴定溶液を用いる塩酸の滴定は、日常的なラボ分析における絶対的な標準分析手法の一つです。

コンパクトなEcoタイトレータは、撹拌機とタッチ操作のユーザーインターフェースを統合しており、この種の中和滴定に最適です。本システムは使いやすく、コストパフォーマンスにも優れています。Ecoタイトレータにはあらかじめ分析方法がインストールされているため、ラボ経験のないユーザーでも、正確で迅速かつ信頼性が高く、GLP準拠の測定結果を簡単に得ることができます。DIN A4サイズ程度のコンパクトな設置面積により、スペースに制限のあるラボでも使用可能です。

お問い合わせ

メトロームジャパン株式会社

143-0006 東京都大田区平和島6-1-1
東京流通センター アネックス9階

お問い合わせ