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光度滴定法による水試料中の全硬度・カルシウム硬度・マグネシウム硬度の全自動測定

AN-T-084

2023-06

ja

Fully automated determination in colored and colorless water samples by photometric titration according to ASTM D8192

光度滴定センサーOptrode(610 nm)を用いて、水試料中の全硬度、カルシウム硬度、マグネシウム硬度を測定を紹介したアプリケーション。

水の硬度は主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの濃度に依存します。水の硬度が過度に高い状態が長期間続くと、水処理システムや配管に悪影響を及ぼす可能性があります。企業設備の保全には、水硬度を正確かつ信頼性高くモニタリングすることが重要です。水の硬度を適切に管理することで、スケーリングや閉塞のリスクを低減し、熱伝達効率を向上させることができます。

ASTM D8192 では、光学センサーを用いて終点を客観的に検出する光度滴定法による、水の全硬度、カルシウム硬度、マグネシウム硬度の測定方法が規定されており、これにより測定の精度および信頼性が向上します。この手法は、地下水、表流水、廃水、飲料水などの有色および無色の試料のいずれにも適用可能です。Optrodeセンサー を搭載した全自動 OMNIS システムを使用することで、試料前処理および分析の再現性が確保され、精度と信頼性がさらに向上し、これらのパラメータを高精度に定量することが可能となります。

このアプリケーションでは、廃水(中程度の黄色味を帯びた試料)、水道水、および浸出水をサンプルとして使用します。いずれの試料についても前処理は不要です。

この測定は、OMNIS サンプルロボット S、OMNISドージングモジュール、および オプトロード(Optrode)センサー を搭載した OMNIS アドバンスドタイトレーター から構成される自動化システム(図1)を使用しています。

図1. オプトロードセンサーを搭載した OMNISアドバンスドタイトレーター、OMNISドージングモジュール、OMNISサンプルロボット S から構成される全自動システム

最初の滴定では全硬度を測定します。カルシウム硬度は、別途行う滴定によって測定します。マグネシウム硬度は、これら2つの滴定結果の差から算出します。

適量の水試料を滴定ビーカーに分取します。全硬度の測定では、エリオクロムブラックT指示薬溶液および、四ホウ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムからなる緩衝溶液(pH 10)を試料に添加します。カルシウム硬度の測定では、水酸化ナトリウムおよびヒドロキシナフトールブルー指示薬溶液を試料に添加します。調製した試料は、その後、標準化した EDTA を用いて当量点を越えるまで滴定します。

結果は表1にまとめて示します。代表的な滴定曲線を図2および図3に示します。

表1.全自動 OMNIS システムを用い、ASTM D8192 に従って測定した全硬度、カルシウム硬度およびマグネシウム硬度の結果
TH=全硬度、CaH=カルシウム硬度、MgH=マグネシウム硬度を示し、いずれも CaCO₃ 換算で mg/L で表しています。

サンプル (n = 6) 全硬度 (mg/L CaCO3) Ca硬度 (mg/L CaCO3) Mg硬度 (mg/L CaCO3)
廃水 261.5 ± 0.2 202.9 ± 0.2 58.6 ± 0.3
水道水 351.6 ± 0.1 267.1 ± 0.1 84.5 ± 0.1
浸出液 (Leachate) 87.8 ± 0.2 75.4 ± 0.3 12.5 ± 0.3
図2. 水道水中のカルシウム硬度(CaH)測定における滴定曲線
図3. 廃水中の全硬度(TH)測定における滴定曲線

Optrode を用いて ASTM D8192 に従い水硬度を測定することで、終点判定における人の目による主観性と比較して、客観性が確保されます。これにより、有色および無色試料のいずれにおいても、水硬度モニタリングの精度および信頼性が向上します。

光度滴定用センサーOptrode はガラス製シャフトを採用しているため、洗浄が非常に容易であり、100%耐溶媒性を有しています。さらに、Optrode はメンテナンスフリーです。省スペース設計により、自動化システムへの組み込みにも適しています。

全自動システムを使用することで、すべての試料前処理工程を自動化できるため、測定の精度および信頼性がさらに向上します。また、OMNIS システムはモジュール構成であるため、同一システム上でアルカリ度や電気伝導度など、他のさまざまなパラメータの分析も可能です。さらに、同一パラメータまたは異なるパラメータにかかわらず、1台の OMNIS システムで最大4項目の測定を並行して実施できるため、分析効率を一層高めることができます。

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