酸化安定性は、製品の長期安定性に関する情報を与えるものであるため、チョコレートの重要な品質基準です。カカオには、抗酸化剤として作用する様々なフラボノイドが含まれています。もっとも重要かつ一般的なフラボノイドは、カテキン、エピカテキン、ならびにプロシアニジンです。フラボノイド含有量はチョコレートの種類によって異なるものの、チョコレートに含まれるカカオの含有量が多いほど、抗酸化作用もより高いと言えます。
チョコレートは、評価可能な誘導時間が得られないため、古典的なランシマット法で直接測定することができません。これには、低過ぎる脂肪含量、または様々なマトリックス効果など、多くの理由が存在します。それゆえ、石油エーテルなどを用いたチョコレートからの脂肪の抽出が伝統的に必要です。
このApplication Noteでは、カカオ含有量の異なるホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ダークチョコレートの酸化安定性が、抽出なしで測定されています。その代わり、ポリエチレングリコールが導電媒体として用いられています。